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プラスティック・メモリーズ

プラスティック・メモリーズ ♯13

ついに最終回。
ほのぼのとした作劇とは裏腹に、非常に重厚なテーマを扱っていた本作。
個人的には今期のアニメ作品の中でもかなり期待していたひとつでした。

ギフティアと言う人造人間と、その稼動限界を短く設定する事で、人間の生と死を比較的マイルドに表現しようとしたのは実に上手だし、そのアイディアは素晴らしいものだと思います。
生きとし生けるものの全ての生命には限界があり、来るべき日がくれば、否応なしに別れを受け入れざるをえません。
行く側であったとしても送る側であったとしても、その事実は極めて重く、人生とはなんなのかと言う事に真摯に向かい合わなければならない瞬間でもあります。
今作で言えば、逝くべき人であるアイラ、送る人であるツカサ(とその他の人々)。
アイラは自らに残された短い時間を出来るだけ有意義に過ごすべく全神経を注ぎ、アイラを送る人々は、アイラと一緒にいられる短い時間を限りなく濃いものとして過ごす努力をします。
普段人は生活の中、現在の生活の延長が限りなく続く様な錯覚をしてしまいます。
家族であり、友人であり、彼らが未来永劫自分の前に居続けてくれるものだと錯覚しているのと同時に、自らの時間の終わりを想像する事もありません。
つまり、時間が限られていると言う事に意識を向ける人は極めて少ないと思うのです。
ところが、万人の持ちうる時間には確実に終わりが訪れ、当たり前だと思っていた家族や友人が目の前から消える瞬間を目の当たりにする時ややってきます。
又、自らが彼らの前から消えてしまう時期も必ずやってきます。
そう考えると、普段、何気なく過ごしている時間が如何に愛おしいものなのかと言う事に気付く事が出来るのではないでしょうか?

ツカサが最後に言った言葉、「精一杯生きる」と言うのはそう言う事なのでしょう。
又、未だ若い彼がああ言う経験をしたと言うのは、今後の彼の人生の重みが明らかに変化するはず。
出来ればその後の彼も見たいところですが、それはちょっと蛇足っぽくなっちゃうのかな?
更に気になるのは、最後に出てきたギフティア。
あれはアイラのボディなのか、否か。
非常に気になるのですが、これも又、詮索するのは野暮ってものなのかな?






プラスティック・メモリーズ

プラスティック・メモリーズ ♯12

来週に最終回を控えた今回。
主人公たちは実にピーキーな心情で過ごしている様子が伺えます。
決して穏やかではいられない現実に面しながらも、さりげない生活を崩さないように心がけるのは辛いでしょう。
ツカサは大切な者が消えてしまう恐怖と、アイラは自らの存在が消滅する恐怖と戦いながら日々を過ごさなければなりません。
若い彼らにとって、この残酷な現実をどうやって受け入れるのか。
若く、無垢であるが故に、又、二人で過ごしている時間が美しいが故に、特にツカサには酷な未来が待ち受けているのではないでしょうか?

物語とは全然関係ないのですが、ヤスタカ役の津田健次郎氏ですが、故塩沢兼人氏と凄く声質が似てる様に感じました。
塩沢さんが名優だった事を知る人は多いと思います。
名優だったが故に、塩沢さんが演じていた役も多く、現在まだまだ生きたコンテンツとして彼の演じた役があったりもするのですが、もしかして、津田氏なら違和感無く塩沢さんのやっていたキャラを演じられるんじゃないかなぁなんて、勝手に思ってしまいました。
あの若干鼻に掛かった感じとか、よく似てるなぁ。
是非、マ・クベとか、メタルギアシリーズのグレイ・フォックスとか担当して欲しいなぁ。






プラスティック・メモリーズ

プラスティック・メモリーズ ♯11

恋人になりたての司のアイラのほのぼのとしたシーンを敢えて徹底的にやっているのは、作劇的に明らかに意図があると言うのが推して知れます。
即ち、ここでほのぼのほんわかとした若い二人のほろ苦く、そして普通の恋を描写しておいた方が、後に訪れる別れがドラマチックに、そして残酷になるからでしょう。
そう言う意味では非常に救いの無い物語なんですよねぇ。

エンディングでも出てくる通り、今アイラがつけている日記が、この物語のキーアイテムなのはエンディングを見ればわかります。
当初は業務日誌的な位置づけのものかと思ったのですが、普通にアイラの心情を書き綴ったものの様でした。
司と恋人になった喜びを書いているシーン等は中々切ないものがあります。
あの時点で、司とアイラが近い未来にくる別れを意識しているのか否かはわかりませんが、少なくとも、恋人になれたと言う大きな喜びを得たのも束の間、特に残される司にとっては耐え難い別れが訪れる訳ですから、感情は一気に喜びから悲しみへと180度シフトするのがマストだと思うと、本当、この作者は意地悪いなぁとも思ってしまいます。

今後の興味としては、司がどういう結末を選ぶかと言う事でしょう。
即ち、アイラの回収破棄を選び、アイラの綴った日記と共に、二人の思い出を大切に生きていくのか、或いは、アイラの外観をそのままにOSの再インストールを行い、別の人間として再びアイラ(の外観)と思い出を作るのか。
美しい終わり方としては前者なのでしょうけど、ここは敢えて後者を選んで欲しいなぁ。






プラスティック・メモリーズ

プラスティック・メモリーズ ♯10

晴れて両思いになった司とアイラ。
これから数日の間、思い出作りを二人でするのでしょうけど、中々に残酷なシチュエーションですよねぇ。
カヅキ曰く、アイラも回収対象である訳ですから、両想いでいられる時間が極めて短いのは当事者もわかっている訳です。
最も気持ちが強い時期に別れを覚悟しなくてはならないと言うのは、非常に切なくも悲しい。
ギフティア、つまり人造人間であるアイラは、外観こそ維持はできるでしょう。
しかし、仮にOSを再インストールしたとしても、司と過ごした時間は丸々消えてなくなっているので、記憶をシェアする事はできません。
と言うか、OSの再インストールと言う事は、外観こそ一緒ではあっても、別人と言う事になるので、事実上、アイラは死んだ事になってしまいます。
仮に司がOSの更新を選んだとして、元の彼女とそっくりな別人と、どう接していくのか。
逆に、アイラを破棄したとしても、人間に比べて寿命の短い彼らを、今後、どの程度、自分の好意の対象として捉えていくべきなのか。
色々と問題が多く残りそうな気がします。
で、あと2回程度で、そこらへん、ちゃんと納得いく様に落としてくれるのかな?
やや心配。






プラスティック・メモリーズ

プラスティック・メモリーズ ♯9

ここにきて立ち居地が微妙に感じるミチルですが、彼女も実は司に気があるのかな?
某新世紀系のロボットアニメに出てきた高飛車キャラに外観を含めて似ている様に感じるのですが、高飛車であるのは変わりないとしても、実は彼女は実に面倒見の良いおせっかいキャラの様で、又、極めて情に脆い一面もあり、非常に人の良い女の子の様です。
そんな彼女、司とアイラの恋の為に人肌脱ごうとしている様ですが、これが自らの感情をさて置いてと言う事であれば、なんとも漢らしい!!

ともあれ、そんなに悠長に構えている時間がある訳でもなく、いち早く、司とアイラの問題は解決しなければなりません。
又、カヅキからパートナー解消を言い渡され、すると、今後、接触する機会が極めて少なくなるので、アイラが正気を保っている内に司との問題を解決するのは難しくなるはず。
いずれにしても、円満な結果は導き出せない本物語に於いて、どんな風に物語を締めくくるのか。
作風自体は非常にゆるい雰囲気であるが故、あまり眉間にシワのよる様な展開にはして欲しくないところでもあります。






プラスティック・メモリーズ

プラスティック・メモリーズ ♯8

自分が好意をよせている人間、つまり、家族や友人、或いは恋人が、全く別人格になって自らの目の前に現れた場合のショックは計り知れないでしょう。
ギフティアのOSの再インストールは、人間で言えば、記憶喪失に近い様に思います。
大切な人が記憶喪失になり、自分の事を認識できないと言う状況の切なさたるや、まさに心を引き裂かれる様な感情になるのではないでしょうか?
冒頭で出てきたおばあさんが、自らが所持するギフティアを毎回更新していると言う下りがありましたが、あのおばあさんはそんな切ない思いを何度もしているのでしょう。
外観が全く一緒にも関わらず、これまでの思い出を全くシェアできないと言うのは、例え難い程のもどかしさや淋しさを感じ続ける事になるはず。
救いがあるとすれが、新たなる人格になったギフティアとの新たなる思い出を作る事が出来ると言うところでしょう。

さて、アイラがアイラでいられる時間も、もうそれほど残されていません。
司はどう言う結末を選ぶのでしょうか?

って、司にはアイラの処遇を決定する権限ないじゃん!
って言うか、ふられててんじゃん!!






プラスティック・メモリーズ

プラスティック・メモリーズ ♯7

マーシャのワンダラー化を伏線とするのであれば、或いは、アイラのワンダラー化もありえるかも?
アイラがワンダラー化してしまった場合の残酷な状況をより明確にさせる為には、司とアイラの現在のほのぼのとした生活風景は実に効果的です。
アイラの寿命はあと一ヶ月程度と実に短く、現在の比較的幸せな時間はもうすぐ終わります。
司にしてみれば、やっとこさ打ち解けてきたのに、やっと気持ちが通い合ったと思った時が、アイラの寿命であるとするのであれば、きっとそれを認め辛い事でしょう。
又、いくら聞き分けが良いと言っても、彼はまだ18歳。
そうそう簡単に割り切れるものでもないとすれば、きっと、アイラの回収に抗うはず。
結果、アイラがワンダラーになり・・・と言った展開になるのではないかと個人的には思っているのですが、そんな悲惨な物語にはしないかな?






プラスティック・メモリーズ

プラスティック・メモリーズ ♯6

個人的にはワンダラーになったマーシャの結末を、もう少し詳細にやって欲しかったところですが、基本的にはライトな作劇である今作でそれをやってしまうと、猛烈に重くなってしまうが故に、ぼやっとさせたのでしょうね。
何れにしても、ハッピーエンドにはなり得ないのと同時に、ソウタの場合、完全なる孤児になってしまうが故、そこを詳細に描くと、非常にややこしくなるので致し方ないと言ったところでしょう。

さて、アイラの寿命があと一ヶ月だと言う事を名言されました。
残りの一ヶ月、司はどうやって過ごすつもりなのでしょうか?
ここも、ハッピーエンドにするのはちょっと無理がありそうな気がします。






プラスティック・メモリーズ

プラスティック・メモリーズ ♯5

いやぁ、重いなぁ。
外観が全く一緒であっても、タイムリミットを越えてしまうと別人、つまりワンダラーとなり、大切な人をも傷つけてしまう存在になってしまって、あれだけ大切に思っていたソウタでさえ、もう識別出来なくなってしまっているとは。
マーシャの元の性格が性格だけに、あの狂ってしまった様はかなり残酷に感じます。
ソウタ目線で考えると、両親が死んで以来、姉の様に自らに接してくれたやさしいマーシャが、今まさに自らの首を絞めている現実を、どう受け止めればいいのでしょう。
業務としては、司やアイラはマーシャの機能を停止せざるを得ず、つまり、ソウタの目の前でマーシャを殺す訳です。
まだ幼いソウタにとっては今後の人生を左右する程のトラウマになってしまうはず。
どう転んでも美談にはなり難い様に思えます。






プラスティック・メモリーズ

プラスティック・メモリーズ ♯4

前回までは司とアイラにフォーカスしていたので、やや淡々とした回だったのですが、今回からは回収のエピソードに戻りました。
わかっちゃいるけど泣けてしまう。

両親と死に別れ、この上マーシャまでも回収されると言う現実を、まだ押さないソウタが受け入れ難いのは極々自然であり、感情の表現の仕方をよくわからないソウタが、その怒りや悲しみの矛先を、唯一残された家族であるギフティアのマーシャに向けるのも致し方ない事でしょう。
マーシャが非常に良くできた人(?)なので、ソウタの心情をしっかりと理解しているが故、ソウタの辛辣な態度に対しても笑顔で受け答えてしているところが、又、泣かせます。
で、そのマーシャですが、冒頭で言われていた闇業者に回収されると言う展開が次回に待ち受けているのが予想できます。
ミチルの育ての親であるギフティアが回収時期を超過し、パーソナリティが崩壊してしまったと言う話からある通り、恐らく、マーシャもワンダラー化するのでは?
あの優しいマーシャが崩壊していく様は、大変残酷な描写になりそうなのです。






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