さて、先ず、冒頭の小学校での出前教室のシーンは何の意味があったのでしょう？
事件解決後に再び小学校でのシーンを出して、本編と上手に絡めると思ったのですが、本編とは全く関係ありませんでしたねぇ。
個人的には子供たちの行う模擬裁判を見てみたかったところですが、そこはバッサリカット。
無駄がいけないとは思わないのですが、あまりにも脈絡が無さ過ぎる様に感じてしまいました。
今回の被疑者、村井は一度は自らの犯行を認め起訴されるのですが、村井とは別の郷田と言う男が真犯人として改めて起訴された事により、村井の痴漢行為は冤罪だったと言う事で、放免されます。
これにより、凜々子の判断ミスが疑われ、マスコミにも盛大に取り上げられる訳ですが、実際は村井は別の痴漢の容疑者だったと言うオチでした。
痴漢容疑で起訴された村井役には東幹久が扮します。
東氏と言えば、元祖(?)面白ハンサムで、どうも彼が画面に映るだけで可笑しくなってしまうのは私だけではないはず。
あと、ドラマで彼を見るのは久しぶりなので、ちょっと嬉しくもありました。
面白ハンサム路線を築いたパイオニアである幹久君の後を追いかける人も少なくないのでは？
そんな幹久君も既にアラフィフ。
結構貫禄が出てきてしまいましたねぇ。
今回は女子高生が痴漢被害に遭うエピソードなので、当然ながら女子高生役の女の子が多数登場します。
多分、アイドル系の人たちなんだろうなぁと思っていたのですが、案の定、痴漢の遭って引きこもってしまった女の子役は向井地美音ちゃんと言うAKB48のメンバーなんですね。
痴漢のシーンで幹久君との身長差がかなりあったのですが、彼女、身長が１５０センチなんですねぇ。
どうでもいいですが、身長１８０センチオーバーの東幹久が身長が１５０センチの女の子のお尻を触るのって、ちょっと無理があるんじゃないかと。
膝を曲げるなりして高さを調節しないと、３０センチも身長の低い人の尻部に手をやる事は難しいと思うし、仮に膝を曲げていたとしたら、それはもう、相当悪目立ちするので、目撃者がいる可能性も高くなります。
電車内の再現シーンを見てて、ちょっと不自然に思えてしまいました。
まぁ、今回はそう言う細かいディティールは関係ないのかも知れませんが。
さて、今回の要点は、凜々子の判断ミスにより、一般人を無実の罪に陥れてしまったと言う事と、その重責に対して、如何に凜々子が立ち向かうかと言うところだと思います。
故に、実は最初の被疑者の村井が清廉潔白では無く、彼も痴漢の犯人だったと言う展開は、ちょっと安っぽく感じました。
勿論、ミスなんかあってはいけませんが、とは言え、誰しもミスを犯すリスクを抱えつつ仕事に邁進しています。
故に、もし、万が一、そのミスを犯した時に、如何にリカバーするかと言うところが尊い訳で、ドラマの主人公が如何に自らの失態故の葛藤から復活するのかと言うところが見たい訳です。
今回の話だと、完全に村井は悪意の第三者であり、凜々子にはなんの落ち度もありません。
これじゃあ、何の深みもないんじゃないかと感じてしまうのですが・・・。
だって、ともすれば、「あ、あたしやっぱり正しいんじゃん！」ってな具合で、猛烈に調子に乗った検事が育ってしまいそうで、恐怖感すら感じてしまうのですが。
痴漢が嫌悪すべき犯罪なのは言うまでもありません。
何がいけないかと言えば、痴漢等と言う卑劣な犯罪を犯す者に他ならないのですが、ところが、昨今、それを逆手に取った冤罪事件も多々あるのも現実のもうひとつの側面でもあります。
それでもボクはやってないの様に、それを題材にしたドラマも作られています。
つまり、実際に無実の罪で起訴されている男性も少なくないと言う現実も確かにある訳です。
猛烈にデリケートな問題なので、劇を作るもの難しいとは思うのですが、ここは敢えて、そう言う無実の罪を着せられてしまった男性と、そのトリガーを引いてしまった検事の凜々子と言う役割でドラマを作った方が、深い物語になったのではないかと思えてしまいます。
さて、最後にもうひとつ。
村井に痴漢された女子高生のあゆみ宅にて、最初の訪問で、あゆみは、事件の日から一度も制服を着ていないと言う旨の発言をします。
多分、多くの視聴者が「じゃあ、制服に村井のＤＮＡが残ってるじゃん」と思ったはず。
ところが、凜々子も相原も直ぐには気付きません。
いやいやいや、まてまてまて。
いくななんでも頭の回転が遅すぎるでしょ。
結局、事務所に戻ってから気付くってねぇ。
そんなにトロい人に事件を任せていいのでしょうかねぇ。
と、色々と文句を付けてきた本ドラマも、ついに来週最終回。
結局最後まで観ることになっちゃったなぁ。
やっぱ、顕ちゃんパワーには逆らえないかな。(笑)
