過去3回は被疑者(容疑者)の悪を暴くと言う展開だったのですが、今回は被疑者が善人なので作劇が難しかったのではないかと思います。
夫を轢かれて亡くしてしまった佐藤フネ役は茅島成美でした。
茅島さんといえば金八シリーズでの国井先生が印象的ですが、もう、結構な高齢なんですねぇ。
国井先生はインテリな感じでしたが、フネは街のお婆ちゃんって感じで、随分キャラが違ってて驚きます。
役者さんは凄いですねぇ。
さて、今回の事件は、信号無視をして赤信号を渡ったフネの夫が、バイクを運転していた勝村が逆光で眩惑してしまい轢いてしまい、死に至らしめてしまったと言う事件で、事件の要になる部分は、渡っていた信号が赤だったのか青だったのかと言うところです。
勝村は横断歩道側の信号が赤、つまり車道が青だったと認識しているのに対し、フネは横断歩道が青、つまり車道側の信号が赤だったと言う事を主張しています。
つまり、どちらかが誤認識をしているか、或いは嘘の証言をしていると言う事になります。
真実はどちらなのかを見極める事が検事の腕の見せ所となる訳ですが・・・。
う~ん、どうも今回はイマイチでしたねぇ。
最終的に心情に訴えると言うのは、ちょっとどうなのかなぁ。
この手のドラマの醍醐味のひとつは謎解きにあると思っているのですが、そう言う意味では、今回のエピソードには一切醍醐味が無かったのではないかと感じてなりません。
勿論、検事と言う仕事に於いて、今回の様なケースがある事もあるのでしょうけど、これはドラマなので、ドラマとしての醍醐味を期待して観てしまう訳ですが、そう言う意味では、今回のエピソードはかなり暖簾に腕押しとでも言いましょうか、物足りなく感じてしまいました。
結局フネが轢いた相手憎さに嘘を言っていたのだけど、勝村の真面目で誠実な人間性を知った事で、真実を打ち明けると言うオチな訳ですが、これ、ドラマとして面白いかなぁ?
聊か疑問を感じてしまいました。
あと、今回、最も世の中に訴える冪だったのは、赤信号を不用意に渡ってしまってはいけないと言う事なんじゃないかと思うのですよね。
勿論、信号を確認できずに一時停止しなかったバイク側に問題があるのは言うまでもないのですが、そもそも、赤信号なのに車道に飛び出しさえしなければ轢かれる事はありませんでした。
つまり、猛烈に危険な行為を行った訳で、ドラマを観ている視聴者に、これが如何に危険な行為だったのかを、もっと強く訴えてもいいんじゃないかと感じてなりません。
なんかどうも釈然としない回でした。