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砂の塔~知りすぎた隣人

砂の塔~知りすぎた隣人 ♯10

いよいよ最終回を迎えた砂の塔。
残された謎はハーメルン事件の犯人は誰なのか?と言う事でしたが、やっぱりと言うか、航平くんでした。
まぁ、あの状況だと、阿相社長か航平くんの、ほぼ二択状態だったので正直驚きはありません。
ただ、サプライズを狙った為故か、いささか物語りの進行としては唐突な感が否めませんでした。
最後の最後まで犯人を隠して視聴者を驚かそうと言う演出なのでしょうが、、ここは驚きを演出するよりも、不気味さを演出した方が良かったのではないかと感じてしまいます。
大方の人が阿相社長か航平くんが犯人だと当たりを付けていたはずなので、あそこまで引っ張るのはかえって逆効果になってしまうんじゃないかなと。
寧ろ、もう少し前から航平くんが犯人である事を匂わせておいたほうがスリルがあったのではないかと感じてしまいます。
という訳で、本ドラマのミスリードは、弓子→阿相社長→航平でした。
物語の中心人物でなので当たり前と言えば当たり前ですが、弓子のキャラの作りこみの深さに対して、他のキャラの作りこみが浅いので、結果的に全体が薄っぺらくなってしまった感が否めませんね。

キャラの描写もそうなのですが、シチュエーションの作り方も、いささか強引と言うかご都合主義的な部分も目だっていましたね。
タワーマンションに引っ越した為に亜紀がいじめの対象になって、同時に近所ではハーメルン事件があって、幼馴染の航平くんと再会して、しかもその航平くんがハーメルン事件の犯人で、和樹の生みの母親が何故か既に真上に住んでて亜紀を窮地に追い込む準備をしてて、と、ご都合主義のオンパレード。(笑)
まぁ、ドラマなので何でもありなんですけど、もう少し見せ方に説得力が欲しいところでもあります。
他にも、ケンちゃんを執拗に苛める会社の上司や、そんなケンちゃんに付け入る阿相社長。
そんな阿相社長は何やら人身売買的な犯罪に手を染めていて、ケンちゃんはその片棒を担がされてしまう。
で、ここも如何にも物語の重要なファクター、つまりハーメルン事件の犯人を視聴者にミスリードさせる材料ととして描かれていたにも関わらず、結果的にはかなりあっさりとした扱いになてしまうと言う。
って言うか、ハーメルン事件は誘拐監禁、阿相社長は人身売買なので、寧ろ阿相社長のやっていた事もハーメルン事件に負けず劣らず極悪犯罪なんですけどねぇ。

さて、このドラマ、もしかして回数を減らされたのかな?
視聴率が低かった為か、はたまたタワーマンションの住人からの苦情が多かった為か、どうも当初の予定からはやや外れた作劇がなされていた様に感じます。
先ず、物語の舞台がタワーマンションである必要は一切なくなりました。
設定を普通の住宅街に移しても何の違和感もないんじゃないかと。(笑)
おそらく最初はタワーマンションヒエラルキーをもっと上手に描きたかったのでしょうけど、諸々の事情で頓挫してしまったと言うのが正直なところなのでしょうが、しっかりと描ききって欲しかったところですね。
ドラマのタイトルでもある訳ですから。
又、それに伴って、序盤に悪行の限りをつくした寛子の最後のお粗末な事。
彼女は本ドラマの重要な悪役の一人な訳ですが、なんと言いましょうか、悪には悪の美学があるとでも言いましょうか、もう少し悪を貫いて欲しかった。
実際、序盤の彼女の存在感はハンパなかったし、序盤の彼女の悪行が本ドラマに圧倒的な彩りを加えていた訳で、そんな影の主役と言っても過言じゃないキャラを、あんな風に扱っちゃっていいものなのでしょうかねぇ?
正直、序盤と終盤じゃ全くの別キャラに成り下がってしまっているのは何ともお粗末なんじゃないかと。
まぁ、キャラがブレちゃったのは彼女だけではないのですが、特に彼女はインパクトが強かっただけにブレ方が目立ちました。

上述した通り、諸々の事情がドラマの路線を多少ずらさざるを得ない状況に追い込んだ様にも思える本ドラマ。
結果的に、ややお粗末な仕上がりになってしまった様に感じてしまうのは否めませんでした。
特に後半はかなり詰め込んだ感がありますね。
もし当初のプロット通りに事が運んでいたらどうだったのだろう?なんて事を思ってしまいます。
当初の物語の雰囲気から、以前放送されていた「夜行観覧車」的なものを期待したのですが、結果的には「夜行観覧車」には全く届かない完成度のドラマになってしまったのが非常に残念でなりません。
非常に良いテーマを扱っていただけに余計に残念に感じてしまいます。
いずれにしても、何とも消化不良感の残るドラマでした。
基本の軸が良かっただけにホントに残念。

小説ではドラマでは描ききれなかったところまでしっかり描かれてるのかな?
消化不良感を解消する為にも、ちょっと読んでみようかな、なんて思ってしまいます。




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